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アクセシビリティカンファレンスCHIBA2025 参加メモ

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  • #アクセシビリティ

アクセシビリティに関する個々の取り組みを称え、実践を共有し、仲間とつながる機会を提供することを目的としたカンファレンス「アクセシビリティカンファレンスCHIBA2025」が千葉県で開催されました!! 🎉

せっかくなのでイベントを通して感じたことをまとめます。今回は僭越ながら、ボランティアスタッフとして参加させていただきました🙏

ボランティアスタッフとして参加してみて

なんとなく「最近何もできていない…」というぼんやりした焦燥感を抱えていた今日この頃。たまたまボランティアスタッフ募集が目に入り、気づけば申し込んでいました。

これまで社外イベントのスタッフ経験はほぼありませんでしたが、「アクセシビリティに関するイベントなら大丈夫かも」という謎の安心感に身を任せて挑戦。

最初こそ緊張しましたが、みなさんに温かく迎えて入れていただけて、有意義な時間を過ごすことができました。

同じボランティアの方々の視野の広さに恐縮しながら、もっと貢献できたかも…という反省もあります。それでもシンプルに楽しかったので、今後も機会をうかがいたいと思います。

心に刺さったゆうてんさんのセッション

「アクセシビリティ」という言葉と向き合う中で、日々歯痒い状況に直面することがあります。

ここ最近は「アクセシビリティ」というフレーズを耳にするのも少ししんどくなっていたくらいだったのですが、ゆうてんさんのセッション「アクセシビリティは全員で取り組むべきか」にとても元気づけていただきました。

今の自分に一番必要だったのは精神論[1]だったんだ…👀

永遠の壁:理解してもらう難しさ

まだまだアクセシビリティに馴染みのない方と一緒に仕事をする場面は多く、そんな時はまずアクセシビリティの紹介から始めるのがお決まりの流れです。筆者もずっとそうしてきました。

——こういったデザインにしたいです。

😎 こういった懸念があるからこうしましょう!

——この仕様は落とせないんです。

😎 こう表現すれば同じ目的を実現できますよ!

——他社さんはこうしているのに、なぜ問題が?

😎 これはあーでこーで…。NG例より良い例を参考にしましょう!

デザインが他社さんだったり、状況によって会話すること自体が困難な時もありますが、筆者が説明すれば大抵は理解してもらえてきました。 しかしそれはただ運が良かっただけだったようです。

会話もできて、大切さを理解してもらえたはずなのに、最終的に筆者の主観では必要な品質に到達させることができなかったケースが現れはじめます。

何が起こっているのか…?🤯

その理解は「君はそう思ってるんだね」なだけ

引用:平尾 優典『アクセシビリティは全員で取り組むべきか』 P.23 より

どうやら筆者は「理解」と「共感」を混同していたようです。

「アクセシビリティは大切だ」ということには納得してもらえているのに、そこに対してのアプローチが始まらない。「全然わかってないじゃん!!!!😭」と思っていた筆者の方がわかっていなかったというオチ。

たしかに大切ではあるんだろうけれど、今はそれよりも大切なものがあるよね、という「大切バトル[3]」を前にして、「アクセシビリティの優先度」が低下していくのをただ眺めるしかできないようなこともありました。

そういう場合、そもそも本当の意味では理解してもらえていなかったんですね🌧️

運良くアクセシビリティの大切さに気づけた私たち

セッション中に登場したフレーズです。

筆者自身も、アクセシビリティに取り組んでない人は「偶然アクセシビリティを知らない」、あるいは「たまたま重要性に気づいていないだけ」だと思っていました。非常に強く共感した考え方です。だからこそ、いつの日か「全員」でアクセシビリティに取り組むことができると信じていました。

一方で、残念ながらそれが現実的ではないということも認識していました。

そうです。大切バトルが存在します。すべての関係者が等しくアクセシビリティに取り組みたいと考えているわけではありません。

筆者はこれまで「アクセシビリティは全員で取り組むべきだ」という考えで、「全員」を文字通りすべての関係者だと捉えていました。しかし、本当にそれを要求したいのか?と改めて考えると、実はそうでもないことに気づきます。

「全員」とは何を指すのか?自分のチームだけ?開発者だけ?制作だけ?特定の事業部だけ?

自分が言いたかった「全員」とは「アクセシビリティ向上に取り組む仲間たち」の全員でした。

アクセシビリティを向上させるために今すぐ工数を割いてほしいとか、プロジェクトを立ち上げろ!とかではなく、「アクセシビリティに取り組む仲間を増やしていきたいから、できればあなたにも協力して欲しい」というニュアンスを、筆者はずっと伝えているつもりだったのです。

一人でも多くの人に気づいてほしい。少しでも多くのユーザーに良い体験を届けたい。 でも無理にやらなくてもいい。そういう思いで、これからもアクセシビリティの啓蒙活動に取り組んでまいります。

最後に

技術カンファレンスでのボランティア参加ははじめてでしたが、あらたにアクセシビリティを学ぶ人のきっかけ、アクセシビリティを広める機会の一助になれたことを嬉しく思います!

セッション冒頭、登壇者さんの自己紹介で自身の装いに言及する「インクルーシブな会議のための自己描写[2]など、内容だけでなく発表スタイルにも学びが多く、まだまだ必要な知識が多いことを思い知らされます。

当日お話しさせていただいた方の中には、これからフロントエンドの世界に飛び込もうとされている方もいらっしゃいました。アクセシビリティという言葉のみならず、その重要性自体も広がっているように感じて大変嬉しく思います🫶

あらためて、アクセシビリティカンファレンスCHIBA2025に参加できて本当に良かったです!実行委員会のみなさまの圧倒的なスピード感と準備力、そして情熱、登壇者のみなさんの素晴らしいセッションの数々に、心から感謝いたします。

ありがとうございました!